小鳥と恋愛小説家
あたしは小説に出てくる女の子じゃない。
現実にいる…花咲小鳥。時々中学生に間違われる女子高生だ……。
名前だけなら出てきそうなのにさ~…。
「…………。」
アホなことを考えて…はぁ~…とため息が出た。
いつまでもこんな夢みたいなこと考えてるから…………初めての恋に戸惑いまくって、どうしたらいいかわかんないんだよなぁ……。
描いてくれる叶音様はいないんだから………
あたしが動かなきゃ、いけないんだよね…………?
「………っ!」
ちゃんとわかってるくせに、動けない。
不意に日曜日の貴宮くんを思い出す………。
『…………無事でよかった…………』
そう言って………初めてにっこりと笑った顔を見た。
胸が痛いくらい………締め付けられた………。
あなたが、好きで好きで好きで……苦しかった。
貴宮くん…貴宮くん……………
あたし、何にも出来ないただの小鳥なんです…………。
でも…でも………っ
王子様みたいに手の届かない…………優しい優しいあなたが………
あたし、大好きなんです……………。