小鳥と恋愛小説家
■ほんとの俺ではダメですか……?
「~~~~っ!…………わかんねぇ………。」
「…………。」
朝、HR前の時間。
俺の隣の席で、大河が課題のプリントを前に唸っていた。
「………カナっ!!」
「…………?」
突然呼びかけられて、読んでいた文庫本を閉じて…大河に視線を向ける。
「…………教えろ…………。俺の脳には手に負えねぇ………。」
珍しくしおらしく、俺に向かって困り果てた顔をした。
「…………どれだ?」
聞けば苦い顔をした大河は
「……………全部。」
…………そう言ってぶすくれた顔でプリントを差し出した。