小鳥と恋愛小説家
「すみませ~ん……持ち主さん………!」
ケータイを握りしめてそれに向かってパンツ姿のアホな恰好でババッと頭を下げる正にアホなあたし……。
申し訳ない気持ちばっかでこの時はそんなこと気づかなかったんですよ~…。
あぁ~~!困ってるよねぇ………!?
このちっちゃい機械ってば、個人情報の塊なのに…………!
「…………っ!!」
そう思ったら、妙に恐れ多い気持ちになって…ケータイ様をそっとベッドに置いた。
「と、とりあえず、VIP待遇?で明日まで預からせていただきます~~っ!」
答えてくれるはずもないケータイ様に更にバカなことを口走る…………。
早く着替えようよ………あたし………。
いつまでも間抜けな恰好のあたしをケータイ様は無言で見ていた。