小鳥と恋愛小説家
とりあえず、ちゃんと着替えを済ませたあたしは
腕組みをしてベッドの上に鎮座するケータイ様とにらめっこ。
こんな大それたモン持って帰っちゃって…あたしはさっきからちっとも落ち着かない。
これって……一体誰のケータイなんだろ………?
思わずベッドの上のケータイを凝視する。
黒いケータイにはストラップもデコもしていない………つまりは男の子の物だよね?
どうしよう………。
パカッと開いて誰か確認して、なるべく早めに届けたほうがいいんじゃないかな………?
いやいや、でも、こんな個人情報の塊をおいそれと開いちゃっていいものか……?
あたしがケータイを手にモヤモヤと考えていた…………その時
――――♪~♪~♪~!!
「………うわぁっ!?」
突然鳴り響いた、けたたましい着信音にビク!と身体を硬直させて手にしたケータイをぽいっと投げてしまった。
ケータイはまるで定位置と言わんばかりにベッドの上に乗っかって、
直もけたたましく鳴り響いていた。
ど…どうしよう……っ!!?
いや!むしろ出るべきなんじゃ………!?
だってこのケータイの持ち主の知り合いだよね!?
あたしは慌ててベッドの上で叫びまくってるケータイを手に取って、
覚悟を決めて、パカッとケータイを開いた………!
「………あ……!この人って………!!」