小鳥と恋愛小説家
□ま…まさかソレって……!?
【side小鳥】
「……………俺、小鳥ちゃんが……」
「……………え……?」
顔を少し赤らめて…微笑む貴宮くんを初めて見た。
かっこよくて綺麗で…本当に王子様みたいで思わず見とれてしまった。
貴宮くんの言葉にバカみたいに心臓が早鐘を打つ…………。
まさか…まさか…………!
その言葉の続きは………………!!
……………こ、告は………
「………せっかく手帳渡してくれたんだけど………………サイン書いたことない………。」
…………………。
「……………は…?……さ、サイン……っ?」
「……?……うん。だからちょっと無理………。」
「~~~~!」
照れくさそうに頭をかく貴宮くんに、がくぅっと力が抜けた………………。
はっ、恥ずかし~~っ!!
そりゃそうだよっ!!なんで貴宮くんがあたしなんかに告白なんて大それたこと妄想しちゃったのっ!?あたしっ!!
本物の叶音さまに逢っちゃって、舞い上がってるに違いないよ~~っ!!
思わず真っ赤になってまともに顔が見れなくて俯いてしまった…………。