先生が生徒を監禁して
「ほら、貸して、先生。私がやるから」
「お断りします。これは俺の仕事ですから」
「バカ言わないで、出来てないじゃない」
「出来てます。ええ、一行十二文字に二分はかかりますが、出来てます」
「私なら一分あればほとんど終わる」
「ほう、では」
拘束を外し、パソコンと教科書を渡す。
「そのページを丸々と写してください。一分計りますから」
「やってやるわよ」
腕まくりでもしそうな勢いで夏川がパソコンと向き合う。
ふうと一呼吸して。
カチャカチャカチャ。
始まった。