桜色
「吉沢と、一緒がいいな・・・」
尚美が、ポロリとこぼした本音。
胸が、ズキッと痛んだ気がした…
「…そうだね。尚美は、吉沢のこと、好きだもんね。」
「うんっ」
少し頬をピンク色に染めて、微笑んだ。
尚美は、可愛い。
そう。
尚美も、吉沢のことが好きで。
私は、相談によく乗っていた。
もう少し、早く私が言い出せていたら。
もう少し、早く彼と出会えていたなら。
こんな思いになることはなかったのかな…
友達の好きな人なのに。
どうしてかな…
どうしても、諦めきれない。
むしろ、好きの思いが増していく毎日。
毎日の日課が、とても楽しみで。
あの時間が、とても大好きで。
何度、心の中で尚美につぶやいただろう。
“ごめん。”