また笑って?


頑張る前に失恋ってやつやな。


はぁ…。


「稲…。」


もう一緒に帰れないかも。


いやや…。


クッ…涙が…


泣くな私!!

「どうしてん?」


頭上から聞こえる優しい声。


すぐわかる。



私の好きな人…稲や。



「稲って彼女おったんや!!なんでいってくれへんの?もーみずくさいなー。私ら友達やん。あーぁ。」


なんか私めっちゃ喋ってへん?


「でもさっサッカー部のマネさんやったらいつでも一緒やしさ。良かったやん!!なんかあったら相談のんで♪頼りないかもしれんけど。」


「環七…。どうしたん?」

「へっ?あっあれ??」


ぽろぽろと零れだした涙。


「なんやろこれ。」


稲の前では泣きたくないのに。


< 85 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop