氷の姫君
「シェリル。」

ダルジェがシェリルさんの名前を呟く。

すると華麗にシェリルさんが舞い降りる。

「はい。ダルジェ様。お呼びですか?」

嬉しそうにシェリルが微笑み掛ける。

「月華を、元の世界に戻す。」

「そう言うと思っていましたわ。」

嬉しそうに妖艶に微笑む。

「今すぐに、だ。」

ダルジェは苦しそうに呟くとすっと消えた。

「やはりダルジェ様はあなたを手放したわね。」

「え?」

「やっぱり私にとってあなたは目障りなの。だからレン様の召使に魔法をかけて少し操ったのよ。」

詠うようにシェリルが呟く。

「あなたわざと仕向けたのね!?」

「ええ。そうよ?」

可愛らしく微笑む。
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