氷の姫君

傍にいたい

「っか・・・月華!!」

名前を呼ばれてはっと起き上がる。

「あ、白雪・・・・。」

そこには私の仲間の白雪が居た。

「あなた何してるの?」

「私?えっと・・・・・。」

ああ、そうだ。
シェリルに突き飛ばされて空間の歪に落ちたんだ。

そうだ!
私は急いで後ろを振り返る。

だけどこそにはもう空間の歪にはなかった。

「月華?」

白雪が不思議そうに私の名前を呼ぶ。

ああ・・・私帰って来てしまったのね。
あなたの傍から自分の世界へと。

戻りたくなんてなかった・・・・

また涙が頬を伝う。

「ちょっと、あなたどうしたの?」

慌てた様子で白雪がかけよる。

雪女は滅多に泣かないから不思議に思ったのだろう。

私ダルジェの元で大分素直に感情を表せるようになったから?
だから、涙が溢れるの?
それとも貴方が恋しいから?

ねえ、誰か答えて?
< 133 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop