氷の姫君
幽玄様とは雪女の長老だ。
雪女のなかのお姫様でもある。

「幽玄様。お呼びですか?」

「おお。月華か。こちらへ参れ。」

「はい。」

言われるままに私は幽玄様の傍による。

「おぬし少し姿が見えなかったが何処へ行っておった?」

「闇の支配者の住む世界へと行っていました。」

「ほう。やはりのう。」

「え?」

「わらわは雪水晶で全てがみえるからのう。」

雪水晶とは代々雪女の長老のみに伝えられる秘宝である。

「そうですか・・・。」

「そこでおぬしに話しがある。」

「なんでしょうか。」

「おぬしが時期長老にならぬか?」

「え?」

「おぬしは力も強い。それにおぬしなら雪姫の加護を受けられるかもしれぬからのう。」


「雪姫の加護をですか?」

雪姫の加護とは一番最初の雪女雪姫の力を得ることが出来る事である。
その加護は得たものが死ぬまで消えない。

しかし雪姫の加護を得たものは今まで誰もいない。

雪姫の加護を得るためには条件があるらしい。

「ああ。おぬしならとわらわは思うのじゃ。」

「考えさせて、いただけますか?」

「ああ。明日答えを聞かせてくれ。」

その言葉を聞き私は部屋を出た。
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