氷の姫君
「ダルジェ様!何故月華を帰したのですか!」

メルフェが納得行かないという顔で講義する。
ファードはなにも言わないが珍しく顔をしかめている。

「それは私の勝手だ。」

「でもダルジェ様!ダルジェ様は月華のことを・・・」

「うるさいぞ。」

私はメルフェを力で黙らせる。

「っ失礼しました。だけど私は納得していません。」

悔しそうな色を滲ませてメルフェはお辞儀をして部屋を出て行く。

「ファードも出て行くのだ。」

「はい。しかしダルジェ様。」

「なんだ。」

「月華さまのことを考えて行動されたとは思いますが、お互いの気持を無視してまで正しい道を選ぼうとすることは、はたして正しいのでしょうか?」

そう告げるとファードは消えた。
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