氷の姫君
「あの、なんで私・・・」

驚きすぎて声が出ないようだ。

「ああ、雪女が君の事を呼んでたから。起こしちゃ悪いなとおもってね。」

「そう。降ろして。」

そういうと途端に寂しそうな怒ったような表情になる。

「なんで雪姫はそんなに俺を嫌うの?」

疑問に思っていたことを聞いてみた。

すると切なそうにこちらをみつめる。

「キライだから。誰にでも優しい人なんて嫌い。」

「どうして?」

「優しさなんて弱さの裏返しでしょ?そんな逃げているような人なんて嫌いなのよ。」
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