氷の姫君
「雪姫様・・・・」

雪女のまとめ役である雫が心配そうにこちらに近づいてくる。

「ねえ。お願いがあるの。」

「なんでしょうか。」

「斎を埋葬してあげて。」

「どこにですか?」

「そうね・・・私たちが出会った湖へ。」

「わかりました。」

「それと言い伝えを後世につたえて。」

「どんな言い伝えですか?」

「雪姫の加護についてを。」

「かしこまりました。でも何故急に・・・」

「雫。」

「はい。」

「今から貴方が雪女の主よ。」

「え?雪姫様は?」

「私は眠るわ。」

「眠る?」

「ええ。いつか私の加護を本当に必要とするものが来るまでね・・・」

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