氷の姫君
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「こうして私は眠りについたのよ。」
雪姫が静かに呟く。
思わず黙り込んでしまう。
「月華はなぜ私の加護が必要なの?」
「私にも守りたい人がいるんです。だけど今の私じゃ彼を守りきれない・・・」
「だから私の加護が欲しいのね。」
こくんと頷く。
「だけど貴方の愛しているのはヴァンパイアよ?」
「わかっています!だけど彼が教えてくれたんです・・」
「何を?」
「ぬくもりを・・・」
雪姫はまっすぐこちらを見つめる。
私は続ける。
「だから今度は私が彼になにかしてあげたいんです!」
「あなたの瞳は迷いがないのね。」
「迷っていたらあの人の・・・ダルジェの傍にはいけませんから。」
優しく微笑む月華。
ああ、私もこんな表情をしていたのかしら・・・?