氷の姫君
「さあ。あなたは早くもとの世界に戻りなさい。」

「雪姫様は?」

「私はこの聖域に残っているわ。もう少しだけ、ね」

ゆっくりと微笑む。
でもやはりどこか辛そうに見えた。

「あなたの幸せを願っています。」

「・・・・・ありがとう。」

雪姫が呟くと月華の体は自然と浮かび上がった。
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