氷の姫君
「・・・・ん・・・・」

私はゆっくりと瞳を開ける。

ああ、私もとの世界に戻って来たんだ・・・・

「やはり無事に帰ってきたか。」

「幽玄様・・・・」

「おぬしならできると信じていたぞ。」

「ありがとうございます。」

「・・・・行くのか?」

「はい。早くダルジェの元に行きたいから。」

「多分おぬしと逢うのは最後になるのう。」

「はい。今までありがとうございました。」

私は深々と頭を上げた。

「よい。きにするな。そうじゃ。これをおぬしにやろう。」

そういうと幽玄様は雪水晶を私に手渡した。

「これは・・・。」

「雪水晶じゃ。これはな、なんでも1つだけ持ち主の願いを叶えてくれるものなのじゃ。おぬしが好きに使うが良い。」

優しく微笑む幽玄様。

思わず涙が出そうになる。
私の事をこんなにも思ってくれている人がいたのね。
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