氷の姫君
「泣くのなら私の胸で泣け。」

「ちょっ・・・ダルジェ・・・」

思わず赤くなる。

そんな私たちを置いて二人は静かに姿を消す。

暫く私たちは抱きあっていた。

「ねえダルジェ?」

「なんだ?」

「私ね、もう自分の世界には帰らないわ。」

「何故だ?」

「私貴方の傍にいたいのよ。貴方を支えたいの。」

真っ直ぐにダルジェを見つめる。

「だめ?」

無言のダルジェに不安になり問いかける。

「駄目なわけがないだろうが。」

そういってダルジェは優しく微笑む。

「月華。永遠に私の傍に居てくれるか?」

「っはい。」

とても素敵な言葉だね。

< 183 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop