氷の姫君
「でわ月華様。椅子にお座りください。」

そう言ってメルフェに促されるまま椅子というものに座った。

「あの、なんかすいません。」

他の人にここまでお世話してもらって申し訳ないという顔を月華はしていた。

「お気になさらないでください。それに月華様さきほどはありがとうございます。」

そう言ってメルフェは嬉しそうに微笑んだ。

「え?」

「私のこと綺麗と言ってくださいましたでしょ?私綺麗なんて言われたの初めてでとてもうれしかったです。」

「ええ?メルフェ綺麗って言われたことないんですか?」

あまりの月華の驚きように思わずメルフェは吹きだしてしまった。
そんな様子を見てきょとんとしている月華。

「すみません。あまりにも月華様の様子がおかしくて。そうですね。私はこのおかしい銀色の髪の毛に赤い瞳をしていますよね?だから周りからは奇妙な娘と言われておりました。」

そう言うと月華は納得いかないという表情をしていた。

「私奇妙なんて思いません!銀色の髪の毛は星の色のようで綺麗だし、赤い瞳はこの薔薇のようで綺麗だとおもいます。」

そう言ってほほ笑む月華の様子を見て正直驚いた。
この人はそういう風に私を見ていたの?
本当不思議な人。

「ありがとうございます。」

「あの、メルフェ?できれば敬語もやめて様もつけないでくれませんか?」

「え?」

「私貴方とはお友達になりたいんです。だから・・・」

「わかりました。でわ、月華様が敬語をやめてくださいましたら私もやめますね。」

「あっ」

「さあ、髪の毛が出来ましたよ。」

「凄い・・・・」

髪の毛は綺麗に結われていて所々に綺麗な華が刺されていた。


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