氷の姫君

食堂に着くと先にダルジェが座っていた。

「月華。綺麗な髪型だな。」

「ありがとう。」

若干赤くなりながら俯く月華。
そう言って席に着く。

後ろからついてきたメルフェは瞳だけで主人にさっきの月華の質問を伝える。

ダルジェは相手の言いたいことを力を使えば瞳から読み取ることができる。

「あの、これはなに？」

そう言って不思議そうに月華はスプーンとフォークを
眺めていた。

「それは、スプーンとフォークという。」

「すぷーんとふぉーく？」

「食べるときに使うものだ。」

「そうなんだあ。」

「私が使い方を教えてあげるわね。」

「ありがとうメルフェ」

その様子をじっとダルジェは眺めていた。
やはり違う時代からきたのだな。
おずおずとスプーンとフォークを使う月華。
どうして優しく微笑むのかか。

「月華。」

「ん？なあに？」

「食べ終わったら外に散歩へ行かないか？」

「ええ！」