氷の姫君
「おはようございますダルジェ様,月華。」

食堂に行くとメルフェが迎えてくれた。

「メルフェ。今夜舞踏会がある。月華を着飾ってくれ。ドレスは昼間届けさせる。」

「かしこまりましたわ。」

「私はこれから出かける。」

「お気をつけ下さいませ。」

「でわ月華夜に。」

「ええ。」

そう私が言い終わるとダルジェは消えてしまった。

忙しい人だと分かっていても少し寂しいな。

「昨日はよく眠れた?」

メルフェが私の様子をみて話しかけてくれる。

「うん。あ、外の雪みた?」

「あの白くて冷たいものでしょ?月華が降らせたの?すごいわね。」

「私は雪女だもの。これくらい出来て当たり前なんだ。」

「そう。月華見たいに儚くて綺麗なのね。雪って。」

「もう,誉めてもなにもでないよ?」

やっと明るくなった月華の表情を見て安心したメルフェ。

月華は案外寂しがりやなのね。

そんなことを思いながら月華を席に座らせながらメルフェは考えていた。


< 33 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop