氷の姫君
「うう~やっぱり動き回りにくい。」

そう呟いて私は足を止めた。
ん?ここはどこ?

気がついたら屋敷の奥まできていた。
あたりを見渡すと階段があった。

「此処を降りたら何処につくのかしら?」

そう呟いて階段を下りようとした瞬間ドレスの裾を踏み躓いた。

「きゃっ!」

落ちる!
そう思って目をおもいっきり瞑ったら誰かに受止められた。

「怪我をするぞ。」

「へ?」

顔を上げるとダルジェと目があった。

「だ、ダルジェ!」

「お前は本当面白いな。」

「ど、ドレスが慣れないだけです!」

「そういうことにしておこう。さあ舞踏会へ行くぞ。」

「へ、このまま?」

「また転ばれても困るからな。」

そういいながら笑うダルジェ。
悔しいけど言い返せない。
ダルジェに抱きかかえられたまま乗り物まで来た。




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