氷の姫君
「そう。ここは日本?」

「日本?ああ、そんな国があったな。ここは魔の領域だ。」

「魔の領域・・・。」

聞いた事がある。
魔の領域とはすべての闇を支配するものが住む場所。
何処の世界にも魔の領域に繋がる空間の歪がある。

「あなたが闇の支配者?」

「そう呼ばれているな。」

「そう。あのどうして私はここにいるの?」

一番疑問に思っていたことをダルジェに聞く。

「お前は空間の歪に巻き込まれていた。」

「空間の歪に?」

「ああ。」

確かにあの時は雪を降らせに町に行く途中だった。だけど不意に闇に飲み込まれて気がついたらここにいたんだ。

「あなたが助けてくれたの?」

「ああ。」

「あの、ありがとう。」

御礼を言われるのが意外だったのかダルジェは驚いた顔をしていた。




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