氷の姫君
「感情を持て余してしまったのだな?」

こくこくと月華は頷く。

きっと月華と出会い感情を思い出したからこういう風に月華を理解出来るのだろう。

そんな事を考えながらダルジェは月華の涙をふき取った。

「泣く時は傍にいる。だから一人で悲しむな。」

「っありがとう。」

そうして2人で寄り添っていた。

「月華は雪女なのに温かいな。」

しばらくしてダルジェが口を開いた。

「あなたが教えてくれたから。」

「なにをだ?」

「ぬくもりを。」

そう微笑み月華は眠りについてしまった。

「ぬくもり、か。」

それはきっと逆だな。
私が月華に教えられたんだな。

「おやすみ。」

軽くキスをして横になる。
明日月華が疑問に思っていたことは話そう。
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