氷の姫君
「ありがとう?」

「ありがとうがどうしたの?」

「いや、御礼を言われるなど300年ぶりだからな。」

そう微笑むダルジェは本当に嬉しそうだった。

ドキッ・・・・・
ダルジェの本当の笑顔ハジメテ見た。綺麗な笑顔。

「ここの家にダルジェの他に住んではいないの?」

「召使と、使い魔なら住んでいる。」

「淋しくないの?」

月華はただ純粋に聞いた見た。
だがダルジェにとっては不思議だった。

淋しい?
ああ、そんな感情が昔はあった。
だが私は永い時を生きているからそんな感情を忘れてしまった。

「淋しいという感情を忘れてしまったから別に淋しいなどという感情はないぞ。」

え?
感情を忘れる?
ああ、永い時を生きるとそうなのかもしれない。

「そう。あの、私が寝ているものはなんなの?」

また話しを変える私。

「ああ。ベットだ。」

「べっと?」



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