氷の姫君
「ねえ?そこのあなたは誰?」

セーラさんはこちらを振りかえった。
私はセーラさんの前に舞い降りる。

「私は月華といいます。」

「そう。月華さんと言うのね。私はセーラです。」

そういって微笑んでくれるセーラさん。

「あなたは人間ではないわよね?」

「え?」

「だって人間は空は飛べないもの。」

面白そうに微笑むセーラさん。
私とこの人が似てる?
全然似ていない。私こんな優しい笑顔できないもの。

「ええ。私人間ではないわ。」

「そう。でも何故彼はあなたが見えなかったのかしら?」

「ダルジェのこと?」

「ええ。あら、あなたダルジェとはお友達?」

「え、ええ。そんなところ。今は理由があって見えないの。」

なんで見えないかはわからないんだけど・・・・。

「そう。ではお部屋で少しお話ししない?」

「え?」

「どうせ夜まで彼は帰ってこないわ。私暇なの。お相手してくれない?」

あまりにも優しく微笑むから思わず頷いてしまった。
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