氷の姫君
「自分のことだからわかるのよ。」

涙目で話すセーラさん。

「でもそんなこと!」

「日に日に体が思うように動かないの。」

「そんな・・・。」

「ねえ月華さん?お願いがあるの。」

「お願い?」

「会って間もなくのあなたに頼むのもおかしいかもしれないけれど、私とお友達になってくださらない?」

「友達?」

「ええ。友達が出来ないまま死ぬなんて寂しいわ。お願い。」

「わかった。でもまず頑張って生きてみよ?」

一生懸命に説得してくれる月華を見て驚いた。
ああ、神様は寂しい私に最後のプレゼントをくださったのね。

「ええ。」

力強く頷いた。
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