眠れぬ夜は君のせい

├ライラック

翌日、学校を出た私を待っていたのは、
「萌波さん」

衛藤さんだった。

そばには古めかしいデザインのスポーツカー。

私は衛藤さんのそばに歩み寄る。

「お仕事、お休みだったんですか?」

「今日は午前中だけ」

衛藤さんが微笑む。

「乗って行くか?

送ってくよ」

「じゃあ、お言葉に…」

「萌波?」

その声に振り返る。

固まった。
< 105 / 252 >

この作品をシェア

pagetop