眠れぬ夜は君のせい
「ご…ごめんなさい!」

エミリが地面に手をついて謝った。

その隣で栄樹も一緒に手をついて謝る。

2人そろって土下座する彼らとそれを見下ろす私たち。

何事かと言うように集まってくるやじ馬。

「もういい、顔をあげろ」

衛藤さんに言われ、ビクビク震えながら顔をあげる2人。

エミリなんか、今にも泣きそうだ。

衛藤さんは栄樹と同じ目線にかがみ込むと、
「栄樹くんって言ったな?」

「は、はい…」

質問に答えた栄樹の後で、乾いた音。
< 108 / 252 >

この作品をシェア

pagetop