眠れぬ夜は君のせい
「ひっ…!」

悲鳴も出せないと言うようにビクビク震えてるエミリ。

やじ馬たちの顔から血の気と言う名の血の気がひく。

それも、サーッじゃなくてザーッと。

バタッと倒れた栄樹を見送ると、立ちあがった衛藤さん。

「今のは萌波の分だ。

お前たち2人に裏切られ、彼女が泣くほど悲しんでた分。

わかってるな?」

コクコクと首が飛ぶかと思うくらいに縦に振るエミリ。

「わかったなら今後いっさい彼女に近づくな。

口も聞かなければ、目も合わせるな」

首振り人形かと思うくらいに首を縦に振るエミリ。
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