眠れぬ夜は君のせい
「でも、君のバラ園にはかなわないかな?」

フフッと笑いながら、衛藤さんが言う。

「君に会いに君の家を訪ねた時、あまりのすごさにビックリした。

そこに君がいたことにも、ビックリしたけど」

「私…あの時泣いてましたよね?」

「お姫様かと思った」

衛藤さんがそんなことを言ったので、
「へ?」

思わず聞き返した。

お姫様?

私が?

泣いてたのに?

顔は相当なまでにひどかったはずなのに?
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