眠れぬ夜は君のせい
「夜、眠れないんです」

口に出してしまった。

衛藤さんは医者じゃないから言っても仕方ないのに。

「夜中に何度も目が覚めちゃって。

だから、不眠症かなって」

衛藤さんの瞳に逆らえなくて、結局打ち明けている。

「そう」

それだけ返事しただけだった。

ほら、言っても仕方がないのに。

返って衛藤さんを困らせたことに、反省した。


その日の夜。

眠ることができなかった。
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