眠れぬ夜は君のせい

├春の花が咲いていた

その出来事が起こったのは、突然だった。

「お嬢様!」

慌ただしい様子を顔に浮かべながらメイド長が部屋に入ってきた。

「どうしたの?

何があったの?」

そう聞いた私に、
「大変です!」

その後で続いた言葉に、動揺を隠せない。


ドアを開けた瞬間、線香の匂いが鼻につく。

部屋の真ん中には、寝台が1つ。

歩み寄ると、顔には白い布。

現実を知らされた。

手を伸ばして、布を外した。
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