眠れぬ夜は君のせい
アタシはその気まぐれにつきあわされただけ。

彼には元からその気はなかった。

アタシを慰めるためにアタシを抱いただけだって。

アタシは彼のセフレだって。

恋人じゃなくて、セフレだって。

欲を吐くための道具だって。

それくらい、わかっていた。

それくらい、気づいていた。

何より、わかっていた。

自分の立場くらい、自分がよく知っていた。

気持ち悪くなって、席を立つ。

ここにいたくないから、出て行く。
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