眠れぬ夜は君のせい
そんなんじゃ、ないんだよ。

そんな簡単なものじゃない。

「ねえ、岳?」

「…俺じゃ、ダメなの?」

「えっ?」

腕の力を、強くした。

「ちょっ…痛い…」

身をよじって俺から逃げようとする藍子さん。

けど、俺は逃がすつもりはない。

離すつもりもなければ、力もゆるめない。

「俺じゃ、兄貴――あいつを忘れさせることはできないの?」

ビクッと、藍子さんの躰が震えたのがわかった。

。+゚岳Side゚+。END
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