眠れぬ夜は君のせい
この子は、何を言っているのかわかっているのだろうか?
「俺は、藍子さんを悲しませない。
藍子さんに、寂しい思いをさせたりしない」
「やめて…岳…」
耳元でささやかれるテナーボイスに、震える。
「藍子」
呼び捨てで名前を呼ばれたと思ったら、組み敷かれた。
氷のように冷たい床。
岳と視線がぶつかる。
今にも泣きだしそうで、苦しそうな目。
「兄貴じゃなくて……俺を見てよ」
岳の唇が動く。
「兄貴のことを忘れたいんだったら、俺を見てよ」
「俺は、藍子さんを悲しませない。
藍子さんに、寂しい思いをさせたりしない」
「やめて…岳…」
耳元でささやかれるテナーボイスに、震える。
「藍子」
呼び捨てで名前を呼ばれたと思ったら、組み敷かれた。
氷のように冷たい床。
岳と視線がぶつかる。
今にも泣きだしそうで、苦しそうな目。
「兄貴じゃなくて……俺を見てよ」
岳の唇が動く。
「兄貴のことを忘れたいんだったら、俺を見てよ」