眠れぬ夜は君のせい
1週間前から働き始めたファミレス。

そこで出会ったのは、神代くんだった。

たくさんの従業員の中でひときわ目立っていた彼。

すぐに彼の名前を覚えてしまった。

「神代桜介…。

桜介くん…」

呪文のように呟くと、心が温かくなった。

私と同じ、桜の文字が入っている彼。

何かの縁なのだろうか。

そして今日、彼と初めて会話した。

――今度何かお礼するから

出てきた言葉に耳を疑ったのは私だ。
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