眠れぬ夜は君のせい
バタンと、閉まったドア。
「来週、出張か…」
私は電話の方に歩み寄ると、引き出しの中からそれを出す。
映画の試写会のチケットだ。
今朝、ゴミ出しの時に出会った大家さんが旦那と観に行ったらと言ってくれた。
他の人は、私たちがこんな夫婦生活を送っていることなんて知らない。
「せっかくの、チャンスだったのに…」
大家さんが私たちのためにくれたのに。
新婚時代を思い出しながら、久しぶりにデートしようと思ったのに、ムダになってしまった。
大家さんに帰す訳にはいかないと思ったけど、ふと思った。
「そうだ、桜介くん」
彼と一緒に行けばいい。
そう思った私は、またチケットを引き出しに入れた。
。+゚桜子Side゚+。END
「来週、出張か…」
私は電話の方に歩み寄ると、引き出しの中からそれを出す。
映画の試写会のチケットだ。
今朝、ゴミ出しの時に出会った大家さんが旦那と観に行ったらと言ってくれた。
他の人は、私たちがこんな夫婦生活を送っていることなんて知らない。
「せっかくの、チャンスだったのに…」
大家さんが私たちのためにくれたのに。
新婚時代を思い出しながら、久しぶりにデートしようと思ったのに、ムダになってしまった。
大家さんに帰す訳にはいかないと思ったけど、ふと思った。
「そうだ、桜介くん」
彼と一緒に行けばいい。
そう思った私は、またチケットを引き出しに入れた。
。+゚桜子Side゚+。END