眠れぬ夜は君のせい
えっ?

聞き返したくなった。

「水曜日、すか?

特にありませんけど…」

突然のことに戸惑いながら返した俺に、
「一緒に映画に行かない?」
と、桜子さんは映画のチケットを見せた。

「あーそれ!」

思わず俺は指差した。

何故なら、それは俺が観たいと思ってた映画だったから。

「この間大家さんから試写会のチケットをもらってね、一緒にどうかなって。

お礼もしたいし」

「いいですよ、行きましょう」

「よかったー」

幸せそうに笑う桜子さんに、俺も嬉しくなる。
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