眠れぬ夜は君のせい
バイトが終わった。

着信は……なし。

「どうしたんだよ…」

今日でもう10日目。

なのに、未だに何もこない。

「桜介」

その声に視線を向けると、
「何だ、瑠香か」

瑠香だった。

帰ろうと足を動かした時、通せんぼをするように瑠香が前に立った。

「何だよ」

邪魔されてムッとなった俺に瑠香は、
「桜子さんを助けてあげて」
と、唇を動かした。

「……はっ?」

聞き返した俺に、
「桜子さんを助けて」
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