眠れぬ夜は君のせい
何かが俺の中で動いている。

それを止めるのに必死なのに、躰は言うことを聞いてくれない。

「――ご主人、様…?」

あげはが驚いたのも無理はなかった。

俺は後ろから、彼女を抱きしめていたのだから。

驚いたはずなのに、あげはは何も抵抗しない。

俺は、自分の行動に戸惑うばかりだった。

何故だかよくわからないが、俺は自分からこうしたくなった。

どうしてかわからないのに、自分はこんなにもおかしなことをしている。

まるでそれは、あげはを慰めるように。

しばらく俺は彼女を後ろから抱きしめていた。
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