眠れぬ夜は君のせい
「――お前…」

呟くように言った俺に、あげはは赤い目を伏せた。

吸血鬼の特徴である赤い目を持っていたのは、あげはだった。

つまり、彼女はその吸血鬼だったのだ。


部屋には俺とあげはの2人きり。

俺はベッドに腰を下ろして、目の前でつっ立っている彼女を見つめていた。

「お前は、吸血鬼なんだな?」

俺の問いに、あげはは首を縦に振ってうなずいた。

「血のない死体は、全部お前の仕業なんだな?」

続けて問いかけた俺に、あげはは否定をしないで首を縦に振ってうなずいた。
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