眠れぬ夜は君のせい
首を縦に振ってうなずいた後、あげはは目をそらすようにうつむいた。

もう終わったと、彼女は思っているのだろう。

今まで隠していた秘密が、俺にバレてしまったからだ。

でも俺は、彼女の秘密をバラそうと言うつもりはなかった。

バレたからと言って、あげはを他へ渡すつもりなんてない。

世間にあげはの姿を見せようなんて思っていない。

「欲しいんだろ?」

そう言った俺に、あげはの顔があがった。

「血が、欲しいんだろ?」

あげははためらった表情を見せて、俺と距離を置こうとする。

俺はパジャマのボタンを1つ外した。
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