眠れぬ夜は君のせい
「ここにいた1ヶ月、吸血行為をずっと我慢してきたんだろ?

だったら、俺の血を飲めばいい」

赤い目が俺を見つめる。

「――あげは…これは、主人の命令だ」

あきらめたと言うように、あげはが俺の前にきた。

殺されるなら構わない。

むしろ、あげはに殺して欲しいと思っていた。

こんなくだらない人生を送るくらいなら、最初から殺して欲しかった。

あげはに全てを奪って欲しかった。

あげはの手が俺のパジャマに触れる。

赤い目が俺を見下ろした。
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