眠れぬ夜は君のせい
いきなり呼べと言われたから、あげはは困っているのだろう。

しかも相手は、自分の主人。

だけど、俺は前言を撤回するつもりはなかった。

「――ッ、あっ…」

俺はあげはの首筋に顔を埋めた。

「――んっ…」

舌を出して、白いそれに触れる。

「――ッ…」

必死で声を押さえ、あげはは身をよじって俺から逃げようとする。

俺に感じているのに、あげははそれを隠そうとする。

そんなことしても逆効果だ。

余計に、俺の中の本能をあおるだけである。
< 44 / 252 >

この作品をシェア

pagetop