眠れぬ夜は君のせい
「あげは…!」

腕の中に彼女を収める。

やっと会えた。

やっと見つけた。

やっと……つかまえた。

「正宗様…離して」

ドンドンと、あげはが胸をたたく。

離すと、あげはは泣いていた。

「何、で…」

あげはが言う。

「何で、会ったんですか…?」

「会いたかったからだ」

あげはが俺に視線を向ける。

「どうしても、お前に会いたかった」
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