眠れぬ夜は君のせい
会いたくて会いたくて、仕方がなかった。

どうしようもないくらいに。

自分の力ではコントロールできないくらいに。

とにかく、あげはに会いたかった。

「もうお前を離したくない…。

だから、帰ってきてくれ。

俺の元に戻ってきてくれ…」

声が震えて、情けない。

でも言わなきゃ、また彼女が逃げてしまう。

せっかく再会したのに、また逃げてしまう。

「…そんなのできません……」

震えた声で、あげはが言う。

「だったら、俺がお前の元に行く」
< 73 / 252 >

この作品をシェア

pagetop