眠れぬ夜は君のせい
どうしてもお前のそばにいたい。

何をしてでもいいから、お前のそばにいたい。

「家も財産も地位も捨てる。

お前が望むなら、国を捨てても構わない」

大事なものを捨ててもいいから。

何もかもを捨てて、俺はお前のそばにいたい。

「お前に殺されたって、構わないんだよ…!」

血も躰も魂も、お前に奪われるならそれでいい。

殺されてもいいから、お前のそばにいたい。

ただそれだけの思い。

「……ごめんなさい」

小さな声で、あげはが言った。
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