眠れぬ夜は君のせい

├失う、そして出会う

振られた。

つきあっていた恋人に振られた。

相手は、私の親友。

誰もいない昼休みの講義室。

彼と彼女がキスをしていた。


「……っく……」

午後の講義は、休んだ。

と言うか、出たくなかった。

出たら2人と顔を合わせる。

だから、休んだ。

それで成績に響こうが、どうでもよかった。

逃げるように大学を飛び出した私は、自分の家の庭にいた。

バラがたくさん咲いているキレイな花園。

ここは私の、秘密の場所。
< 81 / 252 >

この作品をシェア

pagetop