眠れぬ夜は君のせい
ビックリさせたかった、か。

お父様もヒマなものね。

そう思った。


その日の夜。

「お嬢様」

メイド長が部屋に入ってきた。

「何ですか?」

内容はわかっているけど。

「旦那様がお呼びです」

おそらく、衛藤さんのこと。

「萌波に会わせたい人がいるんだ」

部屋を訪ねた私に、お父様が言った。

「会わせたい人、ですか?」
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